薬疹

薬疹の症状チェック

薬疹の症状チェック薬疹は、下記のような症状が現れます。

  • 発疹
  • 小さなプツプツ
  • 皮膚のかゆみ
  • 発熱
  • のどの違和感
  • のどの痛み

薬疹(やくしん)とは?種類・分類

薬疹とは、お薬を内服や注射で体内に取り込んだことによって生じる発疹のことです。
薬の使用を中止して症状が治まる場合には、薬疹である可能性が高くなります。
※処方された薬の自己判断での使用中止はお控えいただき、必ず処方医に相談してください。

多型紅斑型

円形の紅斑が現れます。
同心円状に拡大し、二重丸や三重丸のように見えることもあります。
抗生剤、痛み止めの使用で起こりやすいタイプです。

播種性紅斑丘疹型

薬疹のうち、もっとも頻度が高くなります。
全身に紅斑、丘疹が現れます。
抗生剤を含め、さまざまな薬の使用によって起こります。

水疱型

全身に水疱やびらんが生じます。
糖尿病治療で用いられるDPP-4阻害薬が原因になることが多くなります。

蕁麻疹型

唇の腫れに加え、息苦しさや呼吸困難の症状が現れることがあります。呼
吸器の症状が出ている場合には、救急外来の受診も検討します。
さまざまな薬の使用によって起こります。

扁平苔癬型

主に降圧剤を原因としますが、服用開始後半年~数年して皮疹が出現するため、薬疹と結びつけられないこともあります。

湿疹型

接触性皮膚炎のような多彩な皮疹、かゆみを伴います。

固定薬疹型

同じ部位に繰り返し皮疹が現れ、回数を重ねるごとに症状が悪化していきます。
解熱剤、風邪薬を原因とすることが多くなります。

光線過敏型

薬を使用後、日光を浴びることで、皮疹が出現します。
高血圧や脂質異常症の薬、便秘薬、湿布薬などが主な原因となります。

ざ瘡型

副腎皮質ホルモンやビタミンB12などを原因とすることが多くなります。

粘膜型

主に、痛み止めの使用を原因として起こります。

重症型薬疹

主に、痛み止めの使用を原因として起こります。

薬疹の原因は?

薬疹の原因は、薬に含まれる特定の成分が体内に取り込まれることにあります。
また薬疹は、その特定の成分に対して反応する細胞・抗体を有する人にのみ起こります。
多くは、成分に反応する細胞・抗体が作られる、服用後1~2週間後に発症します。

薬疹の検査方法

薬剤DLST

薬剤DLST第一選択となる治療です。薬剤と患者様の血液との反応を観察し、判定します。
結果が出るまでに2週間ほどかかります。

金属パッチテスト

薬剤を希釈して、皮膚に貼付する方法です。経過を観察するため、何度か受診が必要です。

皮内テスト

皮膚の浅いところに、ごく少量の薬剤を注射し、その反応を観察します。
蕁麻疹型などが疑われる場合に行われます。

内服テスト

もっとも確実な検査ですが、原則として入院が必要です。重症例に対しては禁忌となります。
うがい法、口含み法、口なめ法などを行い、陰性の場合に濃度を上げていき、判定します。

薬疹の治療

重症例以外については、外来での治療が可能です。
まず原因であることが疑われる薬剤の使用を中止します(他院で処方された薬である場合には、処方医と連携をとります)。
薬のタイプによって、使用中止から症状の軽快までの期間が異なりますが、おおむね数日~2週間で改善が見られます。
薬剤の使用中止後は、必要に応じて、段階的に、副腎皮質ホルモン剤の外用、抗アレルギー剤の内服、副腎皮質ホルモン剤の内服と進めていきます。
薬疹の原因となった薬については、原則二度と使用しないようにします。

よくあるご質問

薬疹になったときの対応は?

まずは、その薬を処方した医師に相談しましょう。抗がん剤に代表されるように、薬の使用を中止すべきでないケースも存在します。
中止を検討すべきと判断された場合には、皮膚科の受診をおすすめします。皮膚科を受診する際には、お薬手帳、原因と考えられる薬をお持ちください。

薬疹はどのくらいで治る?

薬のタイプによって異なりますが、薬の使用を中止してから、おおむね数日~2週間後には症状の改善が認められます。
ただし、重症の薬疹については、入院した上での比較的長期の治療が必要になることがあります。

薬疹は何の薬で起こりやすい?

薬疹はさまざまな薬によって引き起こされますが、中でも頻度が高いものとして、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛剤、カルボシステインなどの去痰剤、クラビットやジェニナックなどの抗菌薬が挙げられます。

薬疹とアナフィラキシーとの違いは?

薬の成分がアレルゲンとなり、短時間で皮膚症状に加えて呼吸器・循環器の症状が急激に現れるのがアナフィラキシーです。ショック状態に陥り、命が危険にさらされることもあります。
一方で薬疹は、服用を開始しておおむね1週間後以降に現れる、皮膚症状を主体とします。
また、中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群などのごく一部の重症例を除き、命の危険はほとんどありません。

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