巻き爪・陥入爪

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)とは

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)とは

巻き爪

爪の両端が内側に巻いている状態です。
皮膚への食い込みがあるものと、ないものがあります。

陥入爪

爪の先端が皮膚に食い込み、痛みを伴う状態です。
皮膚が傷つき、細菌感染を起こすこともあります。

巻き爪と陥入爪は、合併することがあります。合併すると、治療も難しくなります。どちらか1つだけであっても、早めにご相談ください。

手足の巻き爪・陥入爪の原因

手足の巻き爪・陥入爪の原因をご紹介します。
原因を知れば、予防、悪化を防ぐのに役立ちます。

足の巻き爪

体質

足の巻き爪には、家族性が認められ、「巻き爪になりやすい体質」が遺伝して発症することがあると考えられます。

間違った歩き方

歩行時、着地・地面を蹴る動作の中で、「爪が巻こうとする力」と地面からの「爪を広げる力」が拮抗することで、爪の形は正常に保たれています。
しかし、間違った歩き方によって爪先でしっかりと踏み込めないと、「爪が巻こうとする力」が相対的に強くなり、爪が巻いてしまいます。
筋力の低下、足の変形、不良姿勢、合っていない靴などが、間違った歩き方を引き起こします。

足に合っていない靴

ハイヒール、爪先の細い靴、サイズが大きすぎる・小さすぎる靴も、巻き爪の原因となります。
着地・地面を蹴る動作が正しくできずに爪先で踏み込めなかったり、物理的に爪先が圧迫されることで、徐々に爪が巻いてしまうのです。

陥入爪

誤った爪の切り方

陥入爪の多くは、誤った爪の切り方によって発生します。
典型的なのが、「深爪」です。深爪になってから爪が伸びる際に、皮膚に食い込んでしまうのです。特に両サイドを短く切ってしまった場合に、陥入爪が起こりやすくなります。
後述いたしますが、爪は「ラウンドスクエア」型にするのが正しい切り方です。

手の巻き爪

深爪

深爪にすると、その爪が伸びる時に巻いてしまいやすくなります。
足の爪と同様に、ラウンドスクエア型に切るようにしてください。

爪の乾燥

爪も皮膚と一緒で、乾燥するとバリア機能が低下し、もろくなります。
外部からの影響を受けやすくなり、巻き爪の原因となります。

遺伝・爪が薄い

爪の性質は、親から子へと遺伝します。
特に爪の薄さが遺伝した場合には、外部からの影響を受けやすくなり、巻き爪のリスクが高くなります。

ジェルネイルによる変形

最近はジェルネイルを使用する方も少なくありません。
ジェルネイルが爪と密着したまま硬化する際には、爪に力が加わるため、その繰り返しによって巻き爪になってしまうことがあります。

巻き爪・陥入爪の治療法

保存的治療

テーピング法・コットンパッキング法

テーピング法では、医療用のテープで皮膚への食い込みを和らげる形に固定します。
コットンパッキング法では、爪の両端と皮膚のあいだにコットンを詰め、爪の皮膚への食い込みを和らげます。

ガター法

縦に切れ目の入ったチューブを、爪の端に差し込むようにして取り付けることで、爪の皮膚への食い込みを和らげます。

矯正治療

3TO

爪の両端にワイヤーを引っ掛け、これを爪の中央でねじり上げるようにして、爪を広げます。
痛みも少なく、特に問題なければ2~3カ月ごとの通院で済みます。治療期間の目安は、6~12カ月です。

手術治療

食い込みがひどく化膿している場合、肉芽の盛り上がりが認められる場合などは、手術の適応となります。
手術後は爪の形が変わってしまうこともあるため、医師と十分に話し合って判断することが大切です。

巻き爪の切り方

「ラウンドスクエア」に切る

「ラウンドスクエア」に切る爪の先端を、指先の縁に沿って、緩めのカーブを描く形にカットします。
爪先(爪の先の白いところ)の幅が一定になる形です。

指先より1~2mm短く切る

爪の先端が、指先の縁より1~2mm短くなるように切りましょう。
切りすぎると、深爪になってしまいます。

正しい切り方は、ご来院の際に指導いたします。ご自身で切れない場合には、医師がカットいたしますので、どうぞご安心ください。

巻き爪・陥入爪は何科を受診すればいい?

巻き爪や陥入爪が疑われる場合には、皮膚科を受診しましょう。
巻き爪・陥入爪のタイプや程度に応じて、適切な治療法を提案し、爪の切り方指導なども行います。
なお、全身疾患と関連して巻き爪や陥入爪が発生することもあります。そのような疾患が疑われる場合には、各専門の医療機関と連携したり、ご紹介したりして、お一人おひとりに合った治療を提供します。
自己流で治そうとすると、症状が悪化するおそれもあります。どうぞ、お気軽に当院にご相談ください。

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