口唇ヘルペスの症状と経過
口唇ヘルペスになると、唇やそのまわりにさまざまな症状が現れます。
性行為によって感染することもあるため、性感染症の1つに数えられますが、ウイルスやタオルの共用などによって感染することもあり、多くの方にとって身近な感染症と言えるでしょう。
発症時~数時間
まず唇やそのまわりのピリピリ、チクチクした痛み・違和感が生じます。
その後数時間のあいだにウイルスが盛んに増殖し、赤い腫れが出現します。
2~3日後
唇に、小さな水ぶくれが多数現れます。
水ぶくれにはウイルスが含まれています。触ったり、潰したりしないようにしてください。
1~2週間後
水ぶくれがかさぶたとなり、腫れなどの症状も引いていきます。
かさぶたも、自然に剥がれるまで触らないようにしてください。
口唇ヘルペスの原因=ヘルペスウイルス
口唇ヘルペスの原因は、ヘルペスウイルスの感染です。
タオルやコップの共用、キス、性行為などによって感染します。そのため、家族間、パートナー間での感染が目立ちます。
なおこのウイルスは一度感染すると生涯体内に潜伏するものと言われており、症状が治まってからも免疫力が低下した時などに再発を繰り返すことが少なくありません。
口唇ヘルペスはうつる病気です
先述の通り、口唇ヘルペスは人から人にうつります。
キスや性行為により直接、あるいはタオルや食器を共用するなどして間接的にうつります。
特に、症状が出現している期間は、ウイルスの増殖も盛んであるため、まわりの人にうつさないための配慮が必要です。
症状のある期間は、以下のような点に注意しましょう。
- 家族間であってもタオル、食器の共用はしない(ただし、洗ってから違う人が使うことは問題ないとされています)
- 小まめに手洗いをして、人との接触はなるべく控える
- 唇を手で触らない、水ぶくれを破らない(触ってしまった後は必ず手を洗ってください)
- キス、性行為を控える
口唇ヘルペスを早く治す方法
口唇ヘルペスは、2週間程度たてば免疫力によって自然治癒します。
水ぶくれを潰したり、かさぶたを無理に剥がしたりすると、しばらく跡が残ってしまうので注意してください。
早く治したいという場合には、医療機関を受診し抗ヘルペスウイルス剤という内服薬の処方を受けることをおすすめします。
※ドラッグストアや薬局などでは購入できませんので、皮膚科などを受診してください。
なお、成人の場合は、ほとんどが再発です。再発であり、ピリピリ・チクチクした痛みが現れる初期のうちでしたら、市販されている外用薬でも有効になることが期待できます。
早く治す食べ物は?
ヘルペスウイルスが増殖するにあたって必要になるのが、アルギニンです。そしてアルギニンを抑制してくれるのが、アミノ酸の一種であるリジンです。リジンを多く含む以下のような食品を意識的に摂ることで、ウイルスの活動・増殖の抑制が期待できます。
- 蕎麦
- サバ、カツオ
- 豆腐
- ヨーグルト
- 牛肉、鶏肉
反対に、ナッツ類やチョコレートなどは、ヘルペスウイルスの増殖を盛んにしてしまうため、避けるようにしてください。
口唇ヘルペスは何科を受診すればいい?
皮膚科、内科などの受診をおすすめします。
ヘルペスウイルスは症状が治まってからも生涯、体内に潜んでいるものと考えられます。再発時にも安心して受診できる“かかりつけ医”を見つけておきましょう。