- 手荒れの主な症状
- 手荒れする・手荒れが治らない原因
- 手荒れ・肌荒れの検査と診断
- ひどい手荒れを治す方法
- 肌荒れ(ブツブツ・粉吹き・赤み)の原因
- 肌荒れを引き起こす皮膚の病気
- 手荒れ・肌荒れの予防と対策
手荒れの主な症状
水泡(ポツポツ)
指や手のひらの側面に、小さなポツポツとした水泡が生じ、徐々にその数が増えていきます。
掻き壊し(ジクジクした状態)
掻いたり擦ったりして水泡が破れると、ジクジクとした状態になります。
乾燥・ひび割れ
水泡の水分が失われ、ひび割れやあかぎれのようになった状態です。
皮剥け(ゴワゴワ)
手の表面が全体的にゴワゴワとし、皮が剥がれます。新しく水泡ができることもあります。
手荒れする・手荒れが治らない原因
手荒れになってしまったり、手荒れがなかなか治らないのは、手の皮膚のバリア機能が低下しているためです。バリア機能が低下することで、外部からの刺激を受けやすく、また細菌の侵入を許しやすくなるために、炎症が起こります。
バリア機能が低下する原因としては、乾燥、ストレスなどが挙げられます。水仕事の多い人は、特に注意が必要です。
手荒れは内臓の病気も関係ある?
頻度は高くありませんが、内臓の病気の症状として「手荒れ」が現れることがあります。手荒れが続く場合には、病気の早期発見のためにも、お早めに当院にご相談ください。
手掌紅斑
肝機能が低下することで、皮膚表面の毛細血管が変性し、手が赤くなることがあります。痛み、かゆみ、出血などがない点が特徴です。
ゴットロン徴候
膠原病の1症状です。手の甲の関節に紅斑が認められます。悪性腫瘍や間質性肺炎を合併することもあります。
掌蹠膿疱症
手のひらや足裏に水泡が生じます。足裏の水泡は、しばしば膿を伴います。
喫煙、金属アレルギー、口・鼻の慢性炎症などを原因とします。
手荒れ・肌荒れの検査と診断
問診では、症状だけでなく、発症時期、それまでの経過、金属アレルギーの有無などをお伺いします。
アレルギーが疑われる場合には、血液検査を行います。
その上で患部を拝見し、診断いたします。
ひどい手荒れを治す方法
保湿剤、ステロイドの塗り薬などを使用した治療が基本となります。
手の皮膚は他の部位よりも厚いため、比較的強いステロイドを使用できます。
ステロイドの使用に抵抗がある方もいらっしゃいますが、期間を決め、丁寧に使用方法を説明いたしますので、ご安心ください。
肌荒れ(ブツブツ・粉吹き・赤み)の原因
生活習慣・睡眠サイクルの乱れ
生活習慣や睡眠サイクルが乱れると、肌のターンオーバーに欠かせない「成長ホルモン」の分泌が不十分となり、肌荒れを引き起こすことがあります。
栄養の偏った食事
脂っぽいものや甘いものの摂り過ぎ、ビタミン・ミネラルの不足などは、肌荒れの代表的な原因となります。食生活を改善するだけで肌荒れが治ったというケースも見られます。
ストレス
誰でも多少なりストレスは抱えていますが、大きなストレス・慢性的なストレスは、ホルモンバランスを乱し、肌荒れなどの症状を引き起こすことがあります。
乾燥
皮膚の乾燥は、バリア機能を低下させます。バリア機能が低下すると、皮膚が過敏になり、ちょっとした刺激でも肌荒れが起こるようになります。
外部からの刺激(花粉・紫外線)
紫外線によるダメージ、アレルギーを引き起こす花粉も、外部からの刺激として肌荒れの原因となります。
便秘
便秘に伴い腸内で有害な物質が発生すると、血管を介して全身に広がり、その症状の1つとして肌荒れが起こることがあります。
肌荒れを引き起こす皮膚の病気
マラセチア毛包炎
ニキビに似た赤いブツブツ、かゆみを伴います。
マラセチアという常在菌によって起こる炎症です。ニキビとは治療法が異なるため、自分で治そうとせず、医療機関で診断・治療を受けることが大切です。
脂漏性皮膚炎
皮脂の過剰分泌によって起こる皮膚炎です。顔、頭など、皮脂の分泌が盛んな部位に好発し、ニキビよりも広範囲の赤み、かゆみを伴います。
はっきりした原因は不明ですが、マラセチアの増殖が関係して発症することが分かっています。
顔ダニ
毛包虫やニキビダニと呼ばれるダニは、通常であれば余分な皮脂を食べてくれますが、増えすぎて赤いブツブツを引き起こすことがあります(毛包虫性ざ瘡)。
特殊な抗菌作用を持つ外用薬を使用するため、医療機関での治療が必要です。
稗粒腫(ひりゅうしゅ)
目のまわり・頬に好発し、摩擦が原因で生じることがほとんどです。小児であれば自然治癒することもありますが、大人は自然治癒は難しいことが多いです。
見た目が気にならないようであれば、放置していても構いません。皮膚科では、注射針やレーザーで穴をあけ、治療します。
口唇ヘルペス
単純ヘルペスウイルスに感染後、身体の抵抗力が低下した時にウイルスが活性化して発症します。
唇付近に痛みを伴う小さな水泡が発生します。まわりの人にうつしてしまうこともあるため、早めにご相談ください。
手荒れ・肌荒れの予防と対策
手荒れや肌荒れは、ちょっとした工夫によって予防することができます。治療中にも応用できる対策ですので、ぜひお試しください。
- 水仕事をする際には、熱い湯は使わず、水またはぬるま湯を使用する。またできれば、キッチングローブなどを使用する
- 手を洗う際には、石鹸が残らないようにしっかりとすすぐ
- 手や身体を洗う時、ゴシゴシと擦らない
- 濡れた手や身体を拭く時、ゴシゴシと擦らず、タオルを押し当てるようにして水分を取り除く
- 手洗い後、お風呂の後は、十分な保湿をする
- 季節を問わず、紫外線対策をする
- バランスの良い食事、十分な睡眠を取り、身体全体の免疫力を高める