やけど(熱傷)

【やけどの応急処置】15分以上冷やし続けましょう

【やけどの応急処置】15分以上冷やし続けましょうやけどの応急処置の基本は、「すぐに流水などで15分以上冷やす」ことです。
冷却時間は、指先や足であれば1時間、それ以外であれば15~30分というのが目安です。
  • 服を無理に脱いではいけません。服の下の皮膚をやけどした場合は、服の上から冷やしてください。
  • 指をやけどした場合は、すぐに指輪を外してください。後で腫れ、指輪が外れなくなることがあります。
  • 医療機関を受診する場合には、自己判断での軟膏の塗布はお控えください。受診後の治療に差しさわりが出ることがあります。

冷やした後は、水ぶくれができたり、皮膚が白くなったり、ひどい場合には皮膚がえぐれることがあります。
感染対策およびやけどの跡をきれいに治すためにも、医療機関の受診をおすすめします。

冷やしていないと痛いのはなぜ?

やけどを負うと、すぐにその熱源から離れたとしても、皮膚内の温度が上昇しています。
冷やしてこの温度を下げることで、痛みが和らいでいくのです。
逆に冷やさずにいると、炎症と痛みが続いてしまいます。
また、それに伴い、皮膚症状が悪化してしまうこともあるため、必ず、すぐに冷やすようにしてください。

やけどのヒリヒリした痛みはいつまで続く?

やけどのヒリヒリした痛みはいつまで続く?やけどの痛みがいつまで続くかは、その深度によって異なります。
表皮層に留まるものであれば数日ほど、真皮の浅い層に達していれば1~2週間ほど、真皮の深い層に達していれば1カ月ほど、痛みが続きます。
なおこの間、湿布、冷却シートなどで患部を冷やすと、症状の悪化を招くことがあります。
痛みが残る場合には、医療機関を受診するようにしましょう。

やけどの跡は残る?関係するのは「やけどの深さ」

やけどを負った方が気にされるのが、やけどの跡が残るかどうかです。
はっきりと答えるのは難しいですが、やけどの深さから考えると、ある程度の予想がつきます。

1度熱傷

やけどを負った部位が赤くなり、ヒリヒリとした痛みがありますが、その後大きな変化なく落ち着いていくものです。
しばらくして皮膚表面がポロポロと剥がれていくこともありますが、日焼けをした時のように、その下からは新しい皮膚が現れます。
1度熱傷であれば、基本的にやけどの跡は残りません。ただし、軽度の色素沈着が起こることがあります。

2度熱傷

やけどを負った部位に水ぶくれができます。
ただ、2度熱傷はさらにその程度が2段階に分類され、病態も異なります。
浅い場合は、水ぶくれの下で皮膚が形成されながら、2週間ほどで治癒し、やけど跡もほとんど残りません。
ただし、1度と同様に色素沈着が起こることがあります。
一方の深い場合は、皮膚の表層が壊死しているため、治癒までに3~4週間を要します。こちらは多くの場合、やけど跡が残ります。
※1回のやけどでも、浅いタイプと深いタイプが混在することもあります。

3度熱傷

皮下組織まで損傷してしまったやけどです。
範囲が狭い場合でも治癒までに1~数カ月を要し、皮膚移植などの手術が必要になるケースも少なくありません。
皮膚移植をした場合には傷痕が、しなかった場合もやけど跡が確実に残ります。

皮膚科でのやけど治療

ステロイド外用薬

ステロイド外用薬やけどを負ってすぐのステロイドの外用は、ガイドラインでも推奨されている治療の1つです。
数時間以内に塗布できれば、やけど跡が残りにくくなります。

その他外用薬

2度熱傷に使用される外用薬としては、トラフェルミンスプレー、ブクラデシンナトリウム軟膏、トレチノイン トコフェリル軟膏、プロスタグランジンE1軟膏、銀含有ハイドロファイバー(貼り薬)などが挙げられます。
2度熱傷の深いもの~3度熱傷の場合の慢性期の外用薬としては、カデキソマー・ヨウ素、スルファジアジン銀クリームなどが挙げられます。
やけどの深さ、状態によって、適切に使い分けます。

抗生物質

お子様や全身疾患のある方は、感染予防のために抗生物質を処方することがあります。

消毒

感染を起こすと症状が悪化するため、消毒やシャワーなどを行い患部を清潔に保ちます。

やけど跡の治療

2度熱傷~3度熱傷では、やけど跡が残ることがあります。
また色素沈着については、1度でも起こり得ます。
それらやけど跡やケロイド、色素沈着などの治療として、血行を促進する「ヒルドイド」などのヘパリン類似物資を使用することができます。
やけど跡、ケロイド、色素沈着でお困りの方は、お気軽に当院にご相談ください。

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