- 円形脱毛症とは?小さい・大きいで5種類ある
- 円形脱毛症の初期症状~回復期の症状
- 円形脱毛症の原因はストレス?遺伝?
- 円形脱毛症を早く治す方法
- 皮膚科で行う円形脱毛症の治療
- 円形脱毛症の人がやってはいけないことは?
円形脱毛症とは?
小さい・大きいで5種類ある
円形脱毛症とは、頭部に主に円形の脱毛が認められる病気です。
先天的に発毛機能に問題があるわけではなく、いくつかの原因によって突然、発症します。
また、性別、年齢に関係なく起こります。
単発型
頭部に1ヵ所だけの円形脱毛症が認められるタイプです。
多発型
頭部に2ヵ所以上の円形脱毛症が認められるタイプです。
初めから多発する場合と、単発型から移行する場合があります。
蛇行型
側頭部から後頭部にかけて、蛇行するような脱毛が認められるタイプです。
単発型・多発型よりも珍しく、また治療に時間を要することが多くなります。
全頭型
頭部のほぼ全域で脱毛するタイプです。
治療に時間を要することが多くなります。
汎発型
頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、腋毛、陰毛などの全身の毛が失われるタイプです。
治療が長くなる可能性が高くなります。
円形脱毛症の初期症状~回復期の症状
1初期症状
- 稀に、前兆症状として頭皮のかゆみ、むくみ、湿疹が出ることがある
- 頭部に円形や楕円形の脱毛が認められる。
- 脱毛部の毛穴が見えない、発毛部との境界ははっきりしている
- 髪の長さによっては、脱毛部の地肌が目立つ
2進行中の症状
- 起床時、枕に多量の抜け毛が落ちている
- 脱毛部付近の頭髪をといた時など、痛みもなくごっそり抜ける
- 抜けた毛の毛根部が痩せている
- 脱毛範囲が広がる
- 脱毛箇所が増える
- 頭皮のピリピリ感
- 脱毛部の地肌が目立つ
※初期症状が現れてから、大きく悪化せずに回復期へと移行することもあります。
3回復期の症状
- 脱毛部に細い毛が生え始める
- 脱毛部の毛穴が見えるようになる
- 脱毛部付近の毛が簡単に抜けなくなる
- 抜け毛が減る
円形脱毛症の原因はストレス?遺伝?
円形脱毛症というと、一般には「ストレスが原因」というイメージが強くあります。
ただ、はっきりした原因が解明されているわけではなく、ストレスを含めたいくつかの要因によって発症するものと考えられているのが現状です。
自己免疫疾患
本来は身体を守ってくれるはずの免疫が異常をきたし、毛根細胞を攻撃しているのでは、という有力な説があります。
なぜ、免疫に異常が起こるのかについては、未だよく分かっていません。
ストレス
慢性的・過大なストレスを抱えると、交感神経の働きに異常をきたし、血流が低下します。
これにより、頭皮や頭髪に栄養が供給されなくなり、脱毛に至るのではないかと言われています。
アトピー素因
円形脱毛症患者の約4割に、アトピー素因が認められます。
気管支炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などがある方は、そうでない方よりも円形脱毛症のリスクが高くなります。
円形脱毛症を早く治す方法
円形脱毛症は、自然治癒するケースも少なくありません。
しかし、自然治癒を待ち長引いてしまう、悪化してしまうケースがあるのも事実です。
脱毛部が目立ちストレスが大きくなったり、ひどく落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。
円形脱毛症を少しでも早く治すためには、皮膚科などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。
原因を絞り込んだり、少しでも治療の見通しがついたりすることで、心もいくらか軽くなります。
皮膚科で行う円形脱毛症の治療
皮膚科では、以下のような治療を行います。
外用薬
異常な免疫の働きを抑えるステロイド、血流を改善するカルプロニウム塩化物などを外用します。
AGA治療にも使われるミノキシジルが有効になることもあります。
内服薬
アレルギー反応を抑えるセファランチン、グリチルリチン、抗アレルギー薬などを内服します。
成人の重症例では、ステロイドの内服を検討することもあります。
ステロイド注射
ステロイドを局所に、少量ずつ、複数回に分けて注射します。
発毛効果は高い一方で、副作用にも注意しなければなりません。
局所免疫療法
スクアリン酸ジブチルエステル、ジフェニルシクロプロペノンなどを塗布し、意図的に脱毛部にかぶれを起こし、発毛を促すという治療です。
範囲が広い脱毛に特に有効とされています。また、子供でも受けられる治療です。
ただし、保険が適用されません。
冷却治療
ドライアイスや液体窒素を脱毛部に当て、刺激を与えることで発毛を促します。
副作用がほとんどないという特長があります。
多くは単独ではなく、他の治療と組み合わせて行われます。
紫外線療法
週に1回程度、クリニックに通院しながら紫外線を照射し、発毛を促すという治療です。
当院では、「エキシプレックス308」という最新型の紫外線治療器を導入しています。
高濃度での照射が可能であるため、治療時間も従来より短縮されています。
ただし、効果の現れ方は緩やかです。
円形脱毛症の人がやってはいけないことは?
市販薬の使用
円形脱毛症に対する市販薬や育毛剤の使用には、十分な注意が必要です。
成分、使い方によっては、逆に症状を悪化させてしまう可能性があるためです。
使用する場合も、医師に相談してからにしましょう。
強いマッサージ・掻く行為
頭皮の血流を良くしようと、強いマッサージをすると、血流が改善されたとしても頭皮・毛根にダメージを与える可能性があります。
マッサージはごく優しく、また脱毛部およびその付近には触れない方法で行いましょう。
かゆみがある場合も、掻くことはできるだけ避けてください。
同様に、頭皮や毛根を傷つけてしまう原因になります。
生活習慣が乱れる行動
不規則な生活リズム、睡眠不足、栄養バランスの偏り、喫煙などは、自律神経のバランスを崩したり、血流を悪化させたり、頭皮や毛髪のターンオーバーを乱したりと、脱毛を加速させる原因となります。
栄養面では、ビタミンB群や亜鉛、鉄分など、髪の毛の健康を支えるものを意識して取り入れるようにしましょう。