アレルギーの種類と主な原因・症状
食物アレルギー
食物アレルギーとは、口から食べたものによって引き起こされるアレルギーです。
特定の食物に対して免疫が過剰に反応し、さまざまな症状が引き起こされます。
また、複数の臓器において急激な症状が現れる「アナフィラキシー」、および急激な血圧低下や意識喪失などによって命の危険を伴う「アナフィラキシーショック」が起こることもあります。
乳児期には、アトピー性皮膚炎として発症するケースもあります。
原因
卵、牛乳、小麦などをはじめとするさまざまな食物が食物アレルギーの原因となります。
症状
- じんましん、湿疹、皮膚のかゆみ
- 下痢、嘔吐
- 喘息、咳、のどのかゆみ
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴う湿疹が全身に現れ、それが良くなったり悪くなったりを繰り返します。かゆみから皮膚を引っ掻き、ジュクジュクしてしまうこともあります。
これらの症状は、額、耳・目のまわり、首、腋、手足の内側に好発し、通常左右対称です。
多くは、子どもの頃に発症し、年齢を重ねるにつれて改善していきますが、大人になっても続くケース、大人になってから発症するケースもあります。
原因
皮膚のバリア機能の低下に加え、アレルギー性の喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚炎などのアトピー素因が重なることが主な原因となります。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストをアレルゲンとして発症する鼻炎です。
花粉によって起こるものを「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」と、ハウスダストによって起こるものを「通年性アレルギー性鼻炎」と呼びます。
原因
スギ・ヒノキ・ブタクサといった花粉、ほこり・ダニ・ペットの毛・真菌などのハウスダストが主な原因となります。
症状
- 鼻水
- くしゃみ
- 鼻詰まり
- 目のかゆみ
アレルギー性結膜炎
目の結膜にアレルゲンが付着して起こる結膜の炎症です。
アレルギー性鼻炎と同様、花粉によって起こる季節性のものと、ハウスダストによって起こる通年性のものに分けられます。
原因
スギ・ヒノキ・ブタクサといった花粉、ほこり・ダニ・ペットの毛・真菌といったハウスダストが、目の粘膜、特に結膜に付着することを原因とします。
症状
- 目のかゆみ、充血
- ゴロゴロとした異物感
- 目やに、涙が出る
気管支喘息
気管支に炎症が起こるアレルギーのことを指します。
炎症によって気管支が狭くなることで、呼吸が苦しくなります。また、炎症が長期化すると、気管支が硬くなり、元に戻りづらく、治療も難しくなります(リモデリング)。
原因
風邪やインフルエンザなどの感染症、ダニ・真菌・ペットの毛などのハウスダストが主な原因となります。
症状
- 呼吸が苦しい
- 咳、痰
- ヒューヒュー、ゼイゼイという呼吸(喘鳴)
アレルギー検査の種類(やり方)
血液検査(特異的IgE抗体検査)
血液検査では、アレルゲンごとに、血液中のIgE抗体量を調べる特異的IgE抗体検査を行います。
VIEW39
食物・花粉・環境アレルゲンなど39種類含まれます。
金属パッチテスト
金属パッチテストは、皮膚に金属を含んだ試薬を貼り付け、特定の金属に対するアレルギー反応を調べるための検査です。
金属が使用されているアクセサリーや歯の詰め物・被せ物にアレルギー反応がある場合に有効です。
当院で行っているパッチテストは、15種類の金属に対して、一度に検査を行うことができます。
アレルゲンを皮膚に48時間貼付し、その症状の現れ方を観察します。
アレルギー検査はどこで受けられる?
アレルギー検査は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などで受けられます。
ただし、医療機関によっては対応していない、対応していても種類が限られるといったことがありますので、事前に確認してから受診すると安心です。
費用
種類 | 料金 |
---|---|
View-39 | 約5,000~6,000円(3割負担時) |
金属パッチテスト | 約5,800円(3割負担時) |
よくあるご質問
アレルギー検査は必要ですか?
アレルギーの治療では、アレルギー検査で得られる情報が大変役立ちます。また、患者様ご自身が自覚していないアレルゲンが発見されたり、アレルゲンだと疑っていたものが実はアレルゲンではなかった、ということもありますのでアレルギー検査をおすすめします。
日本人に多いアレルギーは何ですか?
国内で全年齢を対象に行われた調査では、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)が最多となっています。
以下、通年性アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーと続きます。